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矯正治療

Q

歯ならびが悪くなる、ガタガタになるのはなぜですか?

歯ならびが悪くなる原因は様々あります。原因として、歯とあごの大きさ、歯の形などの遺伝的な要素や、噛み合わせの悪さ、ケガ、乳歯の早期喪失、むし歯などがあります。特にお子さまの場合、指しゃぶりや爪かみ、頬杖、口呼吸などの生活上の癖が原因で歯並びが悪くなることもあります。

Q

矯正の治療はどのようにしますか?

ブラケット矯正やマウスピース矯正、舌側矯正など様々な矯正装置で治療を行っていきます。
患者さまお一人おひとりに合わせた治療方法をご提案させていただきますのでお気軽にご相談ください。

Q

目立ちにくい矯正装置はありますか?

当院では、マウスピースを使用した矯正治療をおすすめしております。
マウスピースは透明なため目立ちにくく、取り外しも可能なため、口腔ケアが行いやすく、清潔に保つことができます。
また、金属を使用していないので、アレルギーがある方でも安心して治療することができます。

Q

治療期間はどれくらいですか?

治療を始めるときの年齢、治療の範囲など症例によって異なりますが、月1回の受診で2年程かかります。
また、矯正装置を外した後、歯を安定させ、後戻りを防ぐための保定期間が3~6ヶ月程あり、長くて3年かかることもあります。

Q

矯正治療を行うとむし歯になりやすくなるのは本当ですか?

矯正装置によって異なりますが、ブラケット矯正などの矯正装置を歯に装着する場合は汚れがたまりやすくなるため、むし歯になるリスクは高まります。

Q

矯正治療は保険適用ですか?

基本的には保険適用外の治療となります。
厚労省の指定する先天性の疾患があるなどの条件を満たせば、保険適用の範囲で矯正歯科治療が可能となる場合があります 。

Q

むし歯や歯周病の状態でも治療は可能でしょうか?

むし歯や歯周病がある場合は治療をすべて済ませてから治療をはじめていきます。
当院で治療を行った後に矯正治療を開始することが可能ですので、お気軽にご相談ください。

Q

妊娠中でも治療は可能ですか?

矯正治療を始めるにあたりレントゲン撮影などの検査を行うため、胎児への影響が100%ないとは言い切れません。
そのため、妊娠中は矯正治療の開始を見合わせた方が無難です。

Q

子供の歯並びが悪く、いつから治療を開始したらいいか悩んでいます。

お子さまの場合、永久歯が生え始める6歳前後から永久歯が生えそろう12歳ごろまでに治療を終えることを目標にしています。

Q

子供のマウスピース矯正は、マウスピースを装着しているだけでいいでしょうか?

マウスピースを使用するだけでもある程度効果はありますが、お口周囲の筋肉トレーニングを並行して行った方がより効果的です。

Q

矯正治療が必要かどうか見分ける方法は?

歯並びというのはとても奥深いもので、一見すると乱れているように見えても、実はかみ合わせが良かったり、逆に見た目が良くてもかみ合わせが悪くて矯正が必要なケースがあったりします。
ですから、矯正治療が必要かどうかは、基本的に専門家に診断してもらうのが一番です。

◆まずは歯並びの種類を知りましょう!
歯並びには、出っ歯や受け口、乱ぐい歯などさまざまな種類があります。
専門的には歯列不正(しれつふせい)あるいは不正咬合(ふせいこうごう)と呼ばれるもので、ご自身の歯並びに当てはまるものがあれば、矯正治療が必要となるかもしれません。

◆噛みにくさを感じることはありませんか?
普段の食事の中で、硬いものや繊維質のものが噛みにくいと感じたり、そもそも上下の歯が正常にかみ合っていないと感じたりすることがあれば、矯正歯科を受診しましょう。歯並びがきれいに見えても、かみ合わせに問題があるかもしれません。

◆最終的にはカウンセリングと精密検査で判断します
矯正治療が必要かどうかは、最終的に専門家である矯正医が判断します。
適切なカウンセリングと精密検査を実施した上で、最善といえる処置法をご提案いたします。もちろん、検査の結果、矯正治療が不要と診断される場合もあります。

このように、矯正治療が必要かどうかは、決して自己判断しないようにお願いいたします。歯並びやかみ合わせが昭からに悪い、といった場合はすぐに当院までご相談ください。

Q

悪い歯並びを放置するとどんな不具合・トラブルが生じる?

悪い歯並びは、見た目の問題だけに意識が生きがちですが、それと同じくらい深刻なトラブルを引き起こすこともあります。

◆かみ合わせが悪くなる
悪い歯並びを放置することで生じる最大のデメリットは、かみ合わせの異常です。歯並びが悪い時点で、かみ合わせにも異常が認められるのですが、その状態を放置すると、さらに噛みにくくなることでしょう。
悪いかみ合わせを専門的には「不正咬合(ふせいこうごう)」と呼び、歯や歯周組織、顎の関節にまで悪影響が波及していきます。

◆虫歯や歯周病にかかりやすくなる
歯並びに乱れがあると、歯ブラシでブラッシングしにくくなりますよね。例えば、乱ぐい歯の症状がある人は、プラークフリーな状態を作るために相当な苦労をされていることかと思います。
その分、口腔ケアにかかる時間も長くなることでしょう。それでもなお虫歯・歯周病のリスクは高くなるため、歯並びの乱れを放置することはあまりにもデメリットが大きいといえます。

◆口元のコンプレックスになる
出っ歯や乱ぐい歯といった歯並びの乱れがあると、口を大きく開けて笑えなくなることが多いです。悪い歯並びを他人に見られたくないという意識が働き、自然と笑顔の数も減っていってしまいます。そうして性格まで内気になる人も珍しくないのです。

このように、悪い歯並びを放置することは、かみ合わせの悪化やお口の病気のリスク上昇、口元のコンプレックスになるなど、さまざまなデメリットを伴うことから、できれば矯正によってきれいに整えた方が良いといえます。

Q

矯正治療を受けるメリット・デメリットについて

矯正治療は、虫歯・歯周病治療とは異なり、今すぐ受けなければ健康を大きく害するようなものではありません。
現に矯正には保険が適用されませんし、明確な目的を持った人が受ける治療となっています。
そこで知っておきたいのが矯正治療を受けるメリット・デメリットですよね。

◆矯正治療に伴うメリット
矯正治療を受けるメリットとしては、次のような点が挙げられます。

◎見た目が美しくなり、コンプレックスを解消できる
歯並びの乱れというのは、自力で改善することはできません。
そのため、悪い歯並びが長年、口元のコンプレックスになっている人は少なくないのです。
矯正治療ならそうした歯並びの乱れを適切な方法で治すことができ、コンプレックスも解消できます。

◎かみ合わせが良くなり、噛みやすくなる
歯列矯正では必ず、かみ合わせも正常化されるよう治療します。
かみ合わせが良くなると、よく噛めるようになるだけでなく、歯や歯茎、顎の関節にかかる負担なども軽減できます。
その他、歯磨きしやすくなる、発音しやすくなる、などのメリットが得られます。

◆矯正治療に伴うデメリット
矯正治療は、保険適用されないため、比較的高額な費用がかかります。経済面を重視する方にとっては、費用が高いというのは大きなデメリットとなりますよね。
また、治療期間も数年に及ぶのが一般的であり、その間、矯正装置を装着し続けなければならないというデメリットもあります。

このように、矯正治療にはメリットとデメリットの両方がありますので、その点をしっかり理解した上で治療を選択する必要があります。

Q

上手い矯正の歯医者さんを見つける方法は?

歯科治療は専門性が高くなるほど、先生による上手い下手の違いも大きくなります。
ですから、矯正治療に対応しているというだけで施術を任せるのはあまり良くありません。
そこで知りたいのが治療の上手い矯正の歯医者さんを見つける方法ですよね。

◆まずは資格に注目しましょう
矯正治療は、歯科医師免許を持っていれば誰でも行うことができますが、専門的な知識や技術、豊富な経験を持ち合わせているかは、別の指標ではかる必要があります。
それは矯正歯科に関する認定医などの資格です。矯正歯科の学会では、一定の知識や技術、診療実績がある人に対して、専門医の資格を与えています。
最も多いのが「認定医」の資格なのですが、それを持っている時点で、一定水準以上の治療を行えることを意味します。

◆過去の診療実績を確認する
矯正歯科のホームページでは、その医院で行った過去の症例の治療内容などを掲載していることが多いです。
そうした情報がなかったとしても、カウンセリングの際にご自身と同じケースの診療実績を見せてもらえば、ある程度、上手いか下手かは判断できます。

◆信頼関係を築けるかどうかも重要
矯正治療は数年に及ぶものなので、単に技術が高い先生ではなく、信頼関係もきちんと築けることが重要といえます。
矯正相談やカウンセリングの時点で信頼できる先生かどうかも見極めるようにしましょう。

このように、治療が上手い矯正の先生を見つけるポイントはいくつかありますので、今回ご紹介した内容を参考にしてください。

Q

矯正治療を受けるのに適した時期はいつ?

歯並びの矯正は極めて特殊な歯科治療であり、いつ受けるのが良いのか判断できない人が多いことかと思います。
とくに子どもの矯正となると、治療に適した時期が明確に存在するため、専門家がしっかりと判断しなければいけません。
そこで今回は、矯正治療を受けるのに適した時期をわかりやすく解説します。

◆子どもの矯正を受けるのに適した時期
子どもの歯並びの治療である小児矯正は、第一期治療が5~6歳くらいから、第二期治療が12歳くらいから始めるのが一般的です。第一期治療は顎の骨の発育を正常に促すことが主な目的なので、少し早い時期となっています。第二期治療はいわゆる“歯列矯正”であり、顎の骨の発育が完了したあとに開始します。

◆大人の矯正を受けるのに適した時期
大人の歯並びの治療である成人矯正に、年齢制限はありません。極端な話、十代でも五十代でも矯正を受けることができます。ですから、大人になってから矯正を受けたいと思ったら、ためらわずにまず矯正相談を受けましょう。年齢に関係なく治療を始められるケースがほとんどです。

◆お口の中の状態が良い方が好ましい
歯列矯正は年齢よりもお口の中の健康状態が重要となる治療です。若い人でも重度の虫歯や歯周病にかかっていたら、矯正を始めるのも難しくなります。そういった意味では、お口の中が健康なうちに矯正を始めた方が良いといえます。

このように、小児矯正は例外として、一般的な歯列矯正に適した時期というのはとくにありません。歯や顎の骨の状態が良ければ、何歳になっても始めることはできます。

Q

矯正は年齢が高くなると難しい?できなくなる?

一般的な医療は、年齢が上がるとともにさまざまなリスクやデメリットが大きくなるため、治療を適応すること自体難しくなることも珍しくありません。
とくに矯正は、子どもの頃に受けた方が良い、という認識を持っている方も多く、年齢が高くなるとできなくなると思われがちです。

◆矯正は年齢が高くなっても受けられます
結論からいうと、矯正治療は年齢が高くなっても受けることができます。
実際、40代や50代から歯列矯正を始めるケースは決して珍しいわけではないのです。
そうした場合でも数年の治療期間を経て、皆さん、美しく健康的な歯並びを手に入れております。

◆子どもの時に受けた方が良いのでは?
矯正は年齢が高くなってからでも受けられるといっても、それは歯並びの乱れを細かく整える“歯列矯正”に限られます。
顎の骨の発育を正常に促す“小児矯正”には年齢制限がありますので、その点はご注意ください。
一方、顎の骨が完了しているのであれば、何歳から始めてもそれほど大きな違いは認められません

◆高齢で矯正を受けるデメリット
矯正治療には原則として年齢制限がありませんが、年齢の上昇とともにお口の中の状態が悪くなると、矯正そのものが難しくなるケースもあります。
もちろん、高齢になってもお口の健康状態を良好に保てていれば、何ら問題はありませんのでご安心ください。

このように、矯正は年齢が高くなっても受けることができます。年を重ねてからの矯正を検討中の方は、お気軽に当院までご相談ください。

Q

矯正装置による悪影響があるスポーツや楽器は?

趣味やお仕事でスポーツをしていたり、部活などで楽器を演奏したりしている人は、矯正装置による悪影響が気になりますよね。

◆トランペットなどの管楽器は注意が必要
トランペットやホルン、チューバなどの管楽器は、演奏の際に唇をマウスピースへと押し付ける必要があるため注意が必要です。
場合によっては楽器の演奏に支障が出ることがあります。
その他の楽器に関しては、矯正装置が演奏の邪魔をするようなことは基本的にありません。

◆格闘技や一部のスポーツも要注意
フルコンタクトの空手やボクシング、顔面に強い衝撃が加わるリスクのある一部もスポーツも矯正装置によって悪影響が及ぶことがあります。
具体的には、お口の中を切れたり、矯正装置が破損したりするなどのトラブルです。
そもそも上述したような格闘技やスポーツは、マウスガードの着用が必須となっている点にも注意が必要といえます。

◆まずはお気軽にご相談ください
特定のスポーツや格闘技を習慣的に行っていて、その悪影響が心配、不安で矯正治療に一歩踏み出せないという方は、お気軽に当院までご相談ください。カウンセリングの際に、矯正装置による悪影響も詳しくご説明できます。

このように、一部のスポーツや格闘技では、矯正装置による悪影響や弊害、トラブルなどが予想されますが、多くのケースでは問題ありませんのでご安心ください。矯正装置にもいろいろな種類があり、楽器の演奏やスポーツのパフォーマンスに配慮することも可能です。

Q

矯正治療後も通院する必要はある?通うとしたらどのくらいの頻度?

矯正治療のメインとなるのは、歯を移動させる「動的治療(どうてきちりょう)」です。
マルチブラケットやマウスピース型矯正装置を使って、実際に歯を動かすプロセスですね。
一般的には、2~3年という長い期間を要するため、それですべての処置が完了したものと思われがちですが、実際はそうではありません。動的治療が完了した後も、通院する必要はあります。その頻度は、3~6ヶ月に1回程度です。

◆移動した歯を固定する「保定(ほてい)」処置
矯正治療後には、移動した歯をその位置に固定する保定処置へと移行します。
リテーナーと呼ばれる専用の装置を使うのですが、動的治療ほど大変なものではありませんのでご安心ください。
リテーナーにも着脱式のものがあり、心身にかかる負担はそれほど重くはありません。

◆保定期間の通院頻度は3~6月に1回程度
保定処置へと移行した直後は、少し高頻度に通っていただくことになりますが、基本的には3~6ヶ月に1回程度です。
歯の状態が安定してくれば、6~12ヶ月に1回といった具合に、通院頻度も低くなっていきます。
これは動的治療との大きな違いですね。

このように、矯正治療が終わった後も引き続き、矯正歯科に通う必要はありますが、通院頻度はそれほど高くはありません。保定処置までしっかりやり遂げることで、美しい歯並びを維持しやすくなります。逆に保定処置を行わなかったり、中断したりすると、歯が元の位置へと戻っていってしまうため十分注意しましょう。

Q

転勤・引っ越しを控えているので早めに矯正したい場合の注意点

矯正歯科への相談として意外に多いのが、短期間での歯並びの治療です。
近い将来、転勤や引っ越しを控えているので早めに矯正したい、といった希望をお持ちの患者さまは珍しくありません。

◆転勤・引っ越しまでの期間が数ヶ月の場合

◎歯並び全体の矯正は難しい
転勤や引っ越しを1年以内に予定されている場合は、転居先で矯正歯科を探した方が良いことが多いです。
というのも、一般的な矯正治療には2~3年の期間を要するため、数ヶ月後に引っ越しするとなると、治療に大きな支障が出てきます。
選択した矯正法にもよりますが、転居先で新たに矯正歯科を探し、位置から治療をやり直すケースも十分あり得るのです。

◎部分矯正なら治療を完了できることもある
歯列の一部分だけを矯正する方法なら、1年以内で治療を完了させることも可能です。症例にもよりますが、6ヶ月程度で矯正が終了することも多いので、まずは矯正に相談してみましょう。

◆転居後も通院可能な場所に引っ越す場合
隣の県など、比較的近場に引っ越す場合は、転院の必要もないため特に注意することはありません。
とはいえ、主治医には早めに引っ越しすることを伝えておきましょう。
比較的遠くに引っ越す場合は、主治医に紹介状を書いてもらう必要があります。
転院先への引き継ぎもしっかり行ってもらうことが大切です。

このように、転勤・引っ越しを予定している場合は、基本的に転居先で矯正歯科を見つけた方が良いです。どうしても早めに矯正したいという方は、今回ご紹介した内容を参考にして、矯正医に相談しましょう。

Q

矯正の認定医・指導医・専門医の違いとは?

医科の各診療科にもありますが、歯科にもそれぞれ治療分野で専門医制度が設けられています。
その道のプロフェッショナルを意味するもので、皆さんもご存知のように矯正の認定医・指導医も存在しています。
そこで気になるのがそうした専門医の資格を持っていない先生との違い、認定医と指導との違いについてですよね。

◆専門医の資格を持っていない先生との違い
まず、矯正の専門医の資格である認定医・指導医を持っている先生と持っていない先生との違いは明白です。
矯正の専門医というのは、矯正に関する一定水準以上の知識、技術、経験を持っていることを学会から認められた証拠だからです。そのため、矯正の専門医の資格を持っている時点で、矯正治療に関する診療実績が浅いということはあり得ません。
もちろん、専門医の資格を持っていない先生でも、素晴らしい技術を持ち合わせていることはありますが、それを客観的にはかる指標はありません。

◆認定医と指導医の違い
矯正の認定医と指導医にも大きな違いがあります。どちらも学会から発行されるものですが、いきなり指導医の資格を取ることはできません。
数年間、矯正の診療に携わり、難しい試験に合格した上で認定医のもらえるのですが、指導医の資格はさらにそこから数年の経験を積む必要があります。
ですから、認定医よりも指導医の資格を持っている方が矯正の診療実績が豊富であるとわかります。

このように、矯正の認定医と指導医には大きな違いがありますので、その点はご注意ください。

Q

保険適用される矯正治療はある?

矯正治療に健康保険が適用されないというのは有名な話ですよね。
実際、ほとんどの患者さまは自由診療で矯正治療を受けることになります。
ただ、例外的に保険適用される矯正治療も存在しています

◆矯正に保険が適用される条件

◎顎変形症
矯正治療に保険が適用される条件としてまず挙げられるのは、「顎変形症(がくへんけいしょう)」です。
顎の骨の形や大きさ、位置などが先天的に異常である場合に診断される病気です。
昨今、増加している顎関節症とは全く異なる病気ですので、その点はご注意ください。

◎お口の異常を伴う先天性疾患
厚生労働省は、医療保険が適用される先天性疾患として、59の病気を指定します。
有名なものとしては「ダウン症候群」や「唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)」、ゴールデンハ―症候群などが挙げられます。いずれも顎の骨や歯に先天的な異常を伴います。

◎重症度の高いかみ合わせの異常
永久歯の前歯が3本以上生えてこなかったり、生えていたしとしても萌出異常を伴っていたりしているケースも保険で矯正が受けられることがあります。
こうしたケースでは、深刻なかみ合わせの異常を伴うからです。

◆病気の診断がない場合は自由診療となります
上述したケースはあくまで稀であり、ほとんどの場合、矯正は自由診療となります。
ですから、矯正治療を検討中の方は、基本的に保険外診療となる点にご注意ください。

このように、一部のケースでは保険診療で矯正治療が受けられます。今回ご紹介した条件に当てはまりそうな場合は、医科や歯科を受診しましょう。まずは専門家による診断を受けることが大切です。

Q

矯正歯科治療は医療費控除の対象となる?申請の仕方は?

矯正歯科治療は、保険適用されないケースが大半です。
そのため、治療にかかる費用が高くなり、経済的負担も重くなることから、なかなか一歩踏み出せないという方も多いことでしょう。そんな方には、医療費控除の申請をおすすめします。

◆矯正治療は医療費控除の対象となります
結論からいうと、矯正歯科治療は医療費控除の対象となります。
適切な方法で申請することで、医療費の一部が還付されるため、経済的負担の軽減につながります。

◆審美目的の矯正治療は対象外?
矯正治療における医療費控除は、すべてのケースに適応されるわけではありません。
例えば、見た目の改善だけを目的とした矯正治療は、医療費控除の対象外となりますのでご注意ください。
ですから、矯正治療で医療費控除を申請する予定の方は、あらかじめ矯正にその点を確認しておくことが大切です。
とはいえ、一般的な矯正では、見た目の美しさだけではなく、かみ合わせを改善することも目的のひとつとなっていますのでご安心ください。

◆医療費控除は確定申告で申請する
医療費控除は、確定申告と併せて申請します。その際、矯正治療の領収書が必要になりますので、確定申告の時期まできちんと保管しておきましょう。
ちなみに、矯正歯科への通院にかかった交通費も医療費控除の対象となります。

このように、一般的な矯正歯科治療は医療費控除の対象となります。
経済的負担を少しでも減らすためにも、この制度を積極的に活用しましょう。

Q

矯正の検査費用はなぜ高い?

矯正に関心のある方は、歯科医院のホームページなどで費用についても調べていることかと思います。その際、気になるのが検査費用の高さですよね。矯正歯科の検査料金は、3~5万円程度に設定されていることが多く、通常の歯科治療との違いに驚かれることでしょう。

◆セファログラムを使った精密検査
矯正の検査費用が高くなる理由としては、セファログラムという特別な検査が必要となる点が挙げられます。
セファログラムとは、矯正治療専用のレントゲン撮影で、歯だけでなく、頭や首に至るまで、かなり広範囲の画像を取得することになります。
正面や側面など、複数の角度からの撮影も必要となるため、それだけでも費用は高くなる傾向にあります。
何より、セファロを撮影できる装置そのものが高価で、撮影費用も自ずと高くなってしまうのです。

◆分析する費用も含まれている?
矯正では、お口の中の写真や歯列の模型、セファログラムで撮影した複数のレントゲン画像など、たくさんの資料をもとに、歯並びや骨格の状態を分析します。
これにはとても専門性の高い知識や技術が必要であり、経験の浅い歯科医師にはなかなか行うことができません。
そうした“技術料”のようなものも矯正の検査料には含まれているものとお考えください。

このように、矯正歯科治療の費用は比較的高額になりがちですが、それにはきちんとした理由があるのです。
いずれも精密な診断を下すためには欠かすことのできない検査となっています。

Q

矯正治療で取られた顔写真は公開されることはある?

矯正治療では、歯科では珍しく顔の写真を撮る場面があります。
それは治療の開始前だけでなく、治療途中にもいえることで、その点に抵抗を感じている方もいらっしゃるようです。
なぜなら、その顔写真を症例紹介などで使われる可能性があるからです。

◆患者さまの顔写真を無断で使用することはありません
結論からいうと、矯正治療で撮影した患者さまの写真を無断で使用することは絶対にありません。
治療に関する写真というのは患者さまの個人情報でもあり、歯科医院が勝手に使用していいものではありません。
ですから、使用するとしても、必ず事前に患者さまの了承を得ることになります

◆カウンセリングなどではお口の中の写真を紹介することがあります
カウンセリングや治療途中の説明の際には、その他の患者さまの治療プロセスを画像によって説明することはありますが、顔写真を提示することはまずありませんのでご安心ください。
あくまで歯がどのように移動していくのかを例示するためだけに用いられます。

◆矯正における顔写真はとても重要
矯正は歯並びの治療なのだから、そもそも顔写真を撮影する必要はないのでは?と思われるかもしれませんね。
確かに、処置を加えるのは歯だけですが、全体の仕上がりを見る上で顔貌(がんぼう)というのは非常に重要な要素のひとつとなるため、矯正治療では必須の資料となっています。

このように、矯正治療で撮影した顔写真は立派な個人情報であり、それが無断で世間に公開されるようなことはありませんのでご安心ください。ホームページなどに掲載する際には、必ず患者さまの許可を得ます。

Q

矯正ではたくさんのレントゲン撮影を行うけれど被ばくは大丈夫?

一般の歯科治療では1~2枚、多くて3~4枚のレントゲン撮影を行うものですが、矯正ではさらに多くの枚数が必要となります。とくに、セファログラムという矯正専用のレントゲンでは顔や首までを含めた広範囲の撮影を行うことから、被ばくを心配されている方も少なくありません。

◆矯正治療のントゲン撮影の被ばく量は微々たるものです
結論からいうと、矯正治療で行うレントゲン撮影では、健康に害を及ぼすほどの量の被ばくは伴いません。
重篤な全身疾患を患っていたり、医科での治療でたくさんの放射線を浴びたりしていなければ、問題はないといえます。

◆妊婦や子供も大丈夫?
妊娠中の女性に関しては、お身体の状態を加味した上で検査を実施します。
例えば、妊娠初期や妊娠後期は、お身体の状態が安定しないことも多いため、レントゲン撮影を控えることも多いです。
小さなお子さまに関しては、適切な方法で撮影する限り、レントゲンが発育に悪影響を及ぼすこともありません。
実際、小児矯正では皆さんレントゲン撮影を受けていますが、健康被害が生じるようなケースもありません。

このように、矯正治療では検査の際に複数枚のレントゲン撮影を行いますが、被ばくによって健康を害することはまずありませんのでご安心ください。
いずれも精密な矯正治療を行う上で重要な資料となる写真であり、矯正治療を進めていくためには必須のプロセスとなっています。

Q

数日前に入れたマルチブラケットが痛くて仕方ない時の対処法

矯正治療を開始した直後は、戸惑う面も多いことかと思います。
とりわけ矯正装置による違和感・異物感・痛みに関しては、イメージしていたものと違った、このまま続けていけるか心配、といった感想を持たれる方も多いようです。

◆矯正開始直後が最も痛みを感じます
矯正治療に伴う痛みや不快感は、開始直後が最も大きいといえます。
お口の中というのは、ただでさえデリケートに作られているので、あれだけ複雑な装置を歯列全体に設置すれば、違和感・異物感もそれなりに大きくなります。
また、歯を移動させるための力もかかることから、不安に感じる方も多いことでしょう。
とはいえ、私たちは環境の変化に慣れるのも早いです。
矯正をスタートしてから1週間も経てば、違和感・異物感も少なくなっていきます。
痛みに関しても、歯の移動に伴って弱くなっていきますよ。

◆日常生活に支障をきたすような痛みがある場合
違和感・異物感程度の症状ではなく、日常生活に支障をきたすほどの痛みが生じている場合は、矯正装置の調整が必要となります。
もしかしたら極端に強い力がかかり過ぎているのかもしれませんので、まずは主治医に見てもらいましょう。
痛みが軽くなるよう、ワイヤーを調整してくれるはずです。

このように、矯正を開始した直後は痛みや不快感が大きくなるものですが、食事もままならないほど痛い場合は、主治医に相談することをおすすめします。
ワイヤーやブラケットの位置を調整することで症状の改善が見込めます。

Q

矯正装置に食べ物が詰まるのは大丈夫?虫歯にならない?

ワイヤー矯正を始めたての人は、矯正装置に食べ物が挟まったり、歯磨きしにくかったりすることで驚かれることも多いかと思います。標準的なワイヤー矯正では、マルチブラケットを2~3年装着し続けることになるため、虫歯や歯周病にかからないか心配になりますよね。

◆矯正中は虫歯・歯周病リスクが上昇します
マルチブラケットを用いた矯正治療では、装置の性質上、清掃性が低下するため、虫歯や歯周病の発症リスクが上昇します。
これはマルチブラケット装置を装着した人なら誰もが感じることでしょう。
ですから、矯正治療をスタートさせたら、今まで以上にていねいな口腔ケアを行う必要が出てきます。

◆矯正中の虫歯・歯周病を予防する方法
まずは、矯正装置に挟まりやすい食べ物は、できるだけ口にしないようにしましょう。
とくにキャラメルやチョコレートのような粘着性の高い食べ物は、矯正装置の中に詰まるだけでなく、虫歯のリスクも大きく上昇させるため要注意です。次に、矯正装置の中までしっかり歯磨きできるよう、歯科医院でブラッシング指導を受けることが大切です。もちろん、矯正をスタートさせる時点で適切な口腔ケア方法については指導がありますが、そう簡単に身に付くものでもありません。定期検診の度に、ブラッシング状態のチェックを受けましょう。
ちなみに、マウスピース型矯正であれば、食事や歯磨きの際に装置を取り外せるため、お口の中が汚れやすくなるということはありません。

このように、矯正装置に食べ物が詰まることは仕方がありませんが、放置するのは良くありません。適切な方法で毎日ケアするよう努めましょう。

Q

矯正中で数ヶ月後に県外転居が決まったらどうすればいい?

お仕事の関係で急遽、県外への転居が決まるというケースは珍しくありません。矯正治療中にも関わらず、県外へ引っ越ししなければならなくなった場合、どうすれば良いのか迷ってしまいますよね

◆まずは主治医に相談する
矯正治療中に県外転居が決まったら、できるだけ早く主治医に相談しましょう。
歯列矯正は特殊な歯科治療なので、気軽に通院先を変えられるものではありません。
そこで選択肢として提案されるのは次の3つです。

◎県外から通院を継続する
県外であっても、引き続き通える距離や立地であれば、通院の継続が望まれます。
矯正治療の通院頻度は1~2ヶ月に1回程度なので、頑張って通い続けましょう。
おそらくそれが患者さまにとって最も利益の大きい選択肢といえます。

◎紹介状を書いてもらう
転院先が見つかったのであれば、主治医に紹介状を書いてもらいましょう。
今現在の治療計画通りに進行できるとは限りませんが、費用の負担等を大幅に減少させることができます。

◎転院先で一から矯正治療を始める
転院先が見つかっていなかったり、他院で治療の引き継ぎが困難であったりするケースでは、のちのち矯正歯科を探して、治療を一からやり直すことになります。
これは患者さまにとって最も不利益の大きい選択肢となります。

このように、矯正治療を受けている期間中に転居が決まった場合は、すぐ主治医に相談しましょう。ご自身にとって最善といえる選択をすることが大切です。

Q

ワイヤー矯正やマウスピース型矯正にかかる治療期間はどれくらい?

矯正の治療期間はとても長いというのは、誰もが知っていることであり、治療を始める上でのネックとなっている点といえます。けれども、実際にどのくらいの期間を要するのかはご存知ない方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ワイヤー矯正やマウスピース型矯正の治療期間についてわかりやすく解説します。

◆ワイヤー矯正の治療期間
ワイヤー矯正では、歯を動かすのに2~3年の治療期間が必要となります。
インプラント治療でさえ1年程度なので、その長さに驚かれる方も少なくありません。
歯並びを美しく健康的にするには、それくらい長い年月が必要なのです

ちなみに、移動した歯をその位置に固定するためには、保定処置が必要となります。
リテーナーと呼ばれる保定装置を装着するのですが、この期間も2~3年程度となります。
ただ、保定装置はマルチブラケットほど大きく複雑ではないので、歯を動かす治療のような痛みやや不快感は伴いません。
また、通院頻度も大きく下がることから、患者さまへの心身への負担はそれほど高くはありませんのでご安心ください。

◆マウスピース型矯正の治療期間
実は、マウスピース型矯正の治療期間もワイヤー矯正とほぼ同程度です。
歯を動かすのに2~3年、歯の位置を固定するのに2~3年かかります。マウスピース型矯正は快適に歯並びの治療が行える方法なので、ワイヤー矯正よりも長い期間を要するように思えますが、実際はそうでもありません。

このように、ワイヤー矯正とマウスピース型矯正にかかる治療期間はともに2~3年程度です。
部分矯正となると治療期間は大幅に短縮されますが、適応できる症例が限られます。

Q

矯正治療で生じる痛みはどれくらい?どんな痛み?

矯正治療では、お口の中に金属製のワイヤーやブラケットを装着するだけでなく、人為的に歯を移動させることから、強い痛みが生じそうなものですよね。その点が心配でなかなか一歩踏み出せないという方もいらっしゃることでしょう。

◆日常生活に支障をきたすような痛みはない
適切な方法で行われる矯正では、日常生活に支障をきたすような痛みは伴いません。
つまり、歯が痛くて食べ物が噛めなくなったり、会話できなくなったりするような症状に悩まされることはまずないといえます。
ただ、痛みに関する感受性というのは人それぞれであり、場合によっては耐えられなくなることもあるかもしれません。
そんな時は、すぐに主治医に相談しましょう。矯正装置を調整することで、痛みや不快感を軽減できます。

◆痛みの種類について
矯正治療に伴う痛みは、どちらかというと“鈍い痛み”です。具体的に表現すると、歯を引っ張られるような感覚、あるいは歯を圧迫されるような感覚です。もしかしたら経験したことのない痛み・感覚となるかもしれませんが、すぐに慣れるケースがほとんどといえます。

◆痛みのピークは装置の装着直後
矯正に伴う痛みのピークは、矯正装置を装着した直後です。もしくは定期的な調整を加えた直後に痛みが最も強くなります。その後は、時間の経過と共に矯正力が弱まり、痛みや不快感も減少していきます。

このように、矯正治療に伴う痛みはそれほど強いものではなく、時間の経過と共に減弱していきますので、それほど心配する必要はありませんよ。

Q

矯正を始めると日常生活で制限されることはある?

矯正歯科治療は数週間や数ヶ月で終わるものではないので、日常生活にどの程度まで支障が現れるのかは、事前に詳しく知っておきたいですよね。
お口というデリケートな部分に装置を装着するため、さまざまな場面で制限が加わりそうなものです。

◆大きく制限されることはありません
矯正治療を始めたからといって、日常生活で絶対にやってはいけないことが出てくるわけではありません。
矯正中も当然、好きなものを食べられますし、運動をすることもできます。
一般的な人が普通に送っている生活は、矯正を始めた後も問題なく継続できます。
ただし、一部のスポーツや格闘技、楽器の演奏などは制限が加わることもあります。

◆矯正中に悪影響が生じやすいスポーツ・楽器の演奏
例えば、フルコンタクトの格闘技や外傷のリスクの高いアメフト、ラグビー、アイスホッケーなどは、マルチブラケットを装着しているといろいろなトラブルを招いてしまうことがあります。
そういう意味では、矯正装置によってパフォーマンスに制限が加わるといえるでしょう。

◆食べるものにも配慮が必要
硬い食べ物やネバネバした食べ物は、矯正装置の破損につながるおそれがあるため、意識的に控える必要があります。
これはワイヤー矯正に限ったことであり、マウスピース型矯正ではとくに制限は加わりません。

このように、矯正を始めると一部のケースでは日常生活に制限が加わることもあります。
心配な方は、カウンセリングの段階でしっかり確認しておきましょう。

Q

歯並びの治療では必ず抜歯が必要になる?

悪い歯並びの原因というのは、人によって異なります。
そのため、矯正治療を行う上で必ず抜歯が必要となるというわけではありません。そこで気になるのが歯を抜かなければならないケースですよね。

◆スペースが不足している場合に抜歯が必要
矯正治療で行う抜歯は、スペースを確保することが主な目的です。
例えば、歯並びがデコボコな乱ぐい歯や、前歯が前方へと突出している出っ歯というのは、歯がきれいに並ぶためのスペースが不足していることが原因となりやすいです。
スペースの不足は、顎の骨の大きさや長さに起因しているため、大人になってからでは発育を促すこともできません。
そこで仕方なく行うのが「便宜抜歯(べんぎばっし)」です。

◆便宜抜歯の対象となる歯
便宜抜歯とは、その名の通り便宜上、抜くことになる歯ですが、一般的には小臼歯(しょうきゅうし)が対象となります。
前から4~5番目の歯で、抜いたとしてもそしゃく機能にそれほど大きな悪影響は及びません。
見た目に関しても同様です。とても小さい奥歯なので、口元の審美性を大きく害することはありません。
ちなみに、小臼歯は健康であっても抜歯をします。

このように、歯並びの異常がスペース不足に由来している場合は健康な歯を抜くことになりますが、結果として、患者さまが得るメリットの方が大きくなるケースに限られます。抜歯をしたからといって、大きなデメリットを被ることはない点にご注意ください。

Q

矯正中は歯磨きしにくいので虫歯になりやすい?

マルチブラケットを用いた矯正治療は、歯の表面に複雑な装置が設置されることから、汚れがたまりやすく、虫歯のリスクも上昇します

◆矯正開始前よりも丁寧なケアが必要になる
ワイヤー矯正の装置を見たことがある人ならわかるかと思いますが、ブラケットはとても複雑な構造をしており、食べ物が詰まりやすくなっています。
何も着けていない状態とは比較にならないほど汚れやすいのが現実です。
それだけに矯正治療を始めたら、以前よりも徹底した口腔ケアア必須となります。

◆いろいろな清掃器具を活用しましょう
ブラケットを装着している場合は、一般的な歯ブラシによるブラッシングだけでは不十分です。
ブラシの部分が一束しかない「ワンタフトブラシ」は、ブラケットのすき間などを磨きやすいのでかなりおすすめです。
その他、デンタルフロスや歯間ブラシなども状況に応じてしっかり使い分けていきましょう。
マウスウォッシュとデンタルリンスを活用することでも矯正装置の衛生状態を良好に保ちやすくなります。

◆矯正中に虫歯になった場合
矯正中に虫歯になると、ブラケットを一度外さなければならなくなるため要注意です。
虫歯は自然に治ることのない病気なので、まずは虫歯治療を優先する必要が出てきます。その分、治療計画にも乱れが生じます。

このように、矯正中は虫歯リスクが明らかに上昇するため、その点を踏まえた上で口腔ケアに取り組みましょう。

Q

矯正中に引っ越し・転勤で通院できなくなった場合の対処法

矯正を始めた頃は、引っ越しの予定が一切なくても、数年の間に転勤を予後なくされるケースは珍しくありません。
県外など遠くへ引っ越しする場合は、引き続き通院することが困難となるため、どう対処して良いか迷ってしまいますよね。

◆転居先で矯正歯科を見つける
治療を開始した歯科医院への通院が困難となった場合は、転居先で矯正歯科を見つけましょう。
その際、意識するのは「治療の引き継ぎ」を行ってくれる歯医者さんを探すことです。
矯正治療は専門性の高い分野なので、実はそう簡単に引き継げるものでもありません。
とくに歯医者さんの治療方針などが強く反映されやすいワイヤー矯正の場合は、そのまま引き継いでくれる先生を見つけるのは容易ではありません。

◆主治医に紹介してもらう
今現在、治療を受けている先生にコネクションがある場合は、引っ越し先の地域の矯正医を紹介してもらいましょう。
知り合いであったり、同じ学会に所属する先生であったりすれば、治療の引き継ぎも容易となります。
主治医に紹介状を書いてもらえば、転院の手続きも行いやすいですよね。

◆転院先で一から治療をやり直すこともある
ケースによっては、転院先で検査から受け直し、治療計画も改めて立案し直さなければならないこともあります。
費用も余計にかかってしまうので、患者さまの負担は大きくなります。

いずれにせよ、矯正中に引っ越しが決まったらすぐ主治医に報告しましょう。
その後の対応については、主治医としっかり話し合うことが大切です。

Q

矯正は子どものときからする必要ある?

矯正治療は、大人になってからでも受けられます。
歯並びの乱れを細かく整える「歯列矯正」には年齢制限がないので、思い立ったときに始めることができます。
一方、歯や顎の発育を正常に促すことが主な目的の「小児矯正」は、子どものときでなければ矯正効果が得られません。
そういう意味では、子どものときから矯正する必要はある、といえます。

◆子どものときに矯正が必要になるケース
子どものときに矯正が必要となるのは、骨格的な異常が認められる場合です。
例えば、上の顎の骨が明らかに小さくて、このまま成長するとスペース不足による乱ぐい歯や出っ歯を引き起こしかねない場合は、小児矯正で改善する必要が出てきます。
上顎骨の成長が足りないと、相対的に下顎骨が前方に位置するため、受け口の症状も現れやすい点にご注意ください。

◆矯正相談は早めに受けましょう
歯の矯正を子どものときから始めるべきかどうかは矯正の先生しか判断できませんので、お子さまの歯並びで気になる点が出てきたら、すぐに矯正相談を受けましょう。
矯正相談はあくまでカウンセリングのようなものなので、気軽に受けることができます。

このように、小児矯正の必要性はケースによって変わってきます。お子さまによっては子どもの矯正でしか治せない問題を抱えていることもありますので、不安な点がある場合はまず当院までご相談ください。

Q

子どもの矯正の歯医者を選ぶポイントは?どんな先生がいい?

子どもの矯正と大人の矯正では、施す処置が大きくことなります。
必要となる知識や技術、経験にも違いがあることから、小児矯正に詳しい歯医者さんに治療をお願いするのがよいといえます。

◆「小児矯正」を得意としている歯医者さん
歯医者さんのホームページなどを見ると、あえて「小児矯正」と記載しているところがあります。
これは子どもの矯正治療にも対応していることを意味しますので、歯医者さん選びの重要なポイントのひとつといえます。
「矯正歯科」だけ記載していない場合は、成人矯正のみ対応しているケースも珍しくないのです。

◆一般歯科診療にも対応していると尚良い
矯正治療中は、虫歯にかかることもあります。
その際、矯正歯科の診療しか行っていない歯医者さんだと、わざわざ他の歯医者さんに虫歯治療をお願いしなければならなくなります。
そうした点も踏まえると、小児歯科を始めとした一般の歯科診療まで行える歯医者さんが望ましいといえます。

◆信頼できる先生かどうかが一番大切?
子どもの矯正は、お子さまが頑張る治療なので、先生との相性も重要となってきます。
信頼関係が築けて、お子さまのモチベーションを高めてくれる歯医者さんであるかどうかが、こどもの矯正の歯科医院を見つける上で、最も重要なポイントともいえます。

このように、子どもの矯正の歯医者さんを見つけるポイントはいくつかありますので、今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。

Q

子どもの歯並びの治療は「小児歯科」「矯正歯科」のどちらを選ぶべき?

子どもの歯並びの治療を検討し始めた時、最初に迷うのが歯医者さん選びです。
歯医者さんには「小児歯科」や「矯正歯科」などいろいろな診療科がありますが、小児矯正はどこにお願いしたら良いのかわかりにくいですよね。

◆看板の表記だけで選んではダメ?
結論からいうと、子どもの歯並びの治療をお願いする歯医者さんは、看板の表記だけで選んではいけません。
なぜなら、「小児歯科」や「矯正歯科」という看板が掲げられていても、子どもの矯正治療に対応していない歯医者さんは山ほどいます。

◆「小児矯正」という文言があれば子どもの矯正治療に対応しています
ホームページなどで「小児矯正」という文言が確認できる場合は、間違いなく子どもの矯正治療に対応しています。
おそらく、ホームページ上でも子どもの矯正治療の種類や方法などについて詳しく書かれていることでしょう。
ただ、ホームページ上では成人矯正の記載しかなかったとしても、小児矯正を行っている場合があるため要注意です。

◆電話などで相談するのが最も確実
小児矯正を行っているかどうかがわからない場合は、歯科医院に電話をかけて問い合わせましょう。
子どもの矯正に対応しているのであれば、矯正相談を受けてみることをおすすめします。

このように、子どもの歯並びの治療に対応しているかどうかは、「小児歯科」や「矯正歯科」という看板の表記だけで判断できません。
詳細については、各医院に問い合わせることをおすすめします。

Q

子どもの歯科矯正は最新技術・トレンドは?

歯科治療は年々進歩しており、治療技術や治療の傾向もどんどん変化していきます。
それは子どもの矯正歯科治療も例外ではありません。
そこで今回は、小児矯正の最近のトレンドについてわかりやすく解説します。

◆筋機能療法(MFT)がトレンド?
実は、小児矯正という分野においては、ここ数年で大きな変化は起こっていないのですが、昨今の傾向としては筋機能療法(きんきのうりょうほう)が広く普及するようになりました。
MFTとも呼ばれるこの治療法は、従来の床矯正と大きく異なる点が多々あります。

◆お口周りの筋肉を鍛える・清浄に機能させる方法
筋機能療法は、歯や顎の骨に直接圧力をかけて、歯並びの異常を治す方法ではありません。
口輪筋(こうりんきん)を始めとしたお口周りの筋肉が正常に機能するよう促す治療法で、お子さまへの心身への負担も極めて少ないです。
ある種のトレーニングなので、一度方法を覚えてしまえば、ご自宅でも行うことができます。

◆お口周りの筋肉を鍛える意義とは?
私たちの歯は、常にお口周りの筋肉から圧力を受けています。
ですから、お口ポカンのような状態が習慣化しているお子さまは、外側からの圧力が加わりにくいことから、歯並びの異常が現れやすくなっているのです。

このように、子どもの矯正治療では筋機能療法がトレンドとなっていますが、すべての症例に有効なわけではありません。
小児矯正は、お子さまそれぞれの年齢や歯並びの状態に応じて最善といえる方法を選択する必要がありますので、気になる方は一度、当院までご相談ください。

Q

子どもの矯正の費用相場は?成人矯正よりも安い?

大人の矯正治療にかかる費用というと、80~100万円が相場ですよね。
これに関しては、多くの方が知っていることかと思います。
一方、子どもの矯正治療となると、費用相場はあまり知られていません。
成人矯正よりも高いか、安いかもご存知ない方が多いのではないでしょうか。

◆小児矯正の費用はケースによって大きく変わる
小児矯正は、成人矯正よりも多様性があります。そもそも子どもの矯正は、第一期治療と第二期治療の2つに分けられ、どちらを受けるかによっても金額が大きく変わってくるからです。
そこでまず第一期治療のみを受けた場合を考えてみましょう。

◆第一期治療の費用は30~50万円程度
小児矯正の第一期治療の費用相場は、30~50万円程度です。
第一期治療は、顎の骨の発育を正常に促すのが主な目的となっており、成人矯正のようなワイヤー矯正は基本的に行いません。

◆第二期治療はいわゆる“歯列矯正”
第二期治療は、一般的な歯列矯正と考えていただいて問題ありません。
歯列矯正のみを受けるとなると、治療には80~100万円程度の費用がかかります。
第一期治療を受けている場合は、費用がかなり安くなります。
抜歯が不要となるケースも多いです。

このように、子どもの矯正にかかる費用はケースバイケースとなっておりますので、気になる方はまず矯正相談を受けましょう。カウンセリングの段階で、どのくらいの費用がかかるかはある程度わかります。

Q

矯正治療も失敗することはある?失敗の原因は?

歯科医院のホームページでは、矯正に成功した事例しか掲載されていないため、失敗のリスクがないものと考える方もいらっしゃるかもしれませんね。
逆に、失敗したケースを確認できないので、矯正への不安感が強まる方もいらっしゃることでしょう。

◆矯正治療で失敗するケースは稀です
矯正治療というのは、虫歯治療のように短期間で終わるものではありません。
たくさんの検査を実施して、綿密な計画を練り、長い時間をかけて治療していくものなので、基本的に大きな失敗につながるようなことはないといえます。
ただし、例外もあります。

◆途中で治療をやめてしまった場合
例えば、矯正治療を始めて1~2年経過してから通院をやめてしまう人もいらっしゃいます。
この場合、当然ですが本来期待していた治療効果は得られません。
それどころか、中途半場な状態で治療が終わってしまうため、かみ合わせや歯並びが悪くなることもあります。

◆保定処置を受けなかった場合
歯を移動する動的治療(どうてきちりょう)の後には、必ず歯の位置を固定する保定処置を受けなければなりません。
このプロセスを省略すると、歯の後戻りが生じて矯正治療が失敗に終わります。
矯正治療の失敗の原因としては意外に多いものなので、十分に注意しましょう。

このように、歯列矯正でも適切な方法で治療を進めないと失敗することがありますので十分な注意が必要です。
とはいえ、治療計画通りに進めていけば、問題なく治療を終えられるケースが大半といえます。

杜の街グレース歯科・矯正歯科
歯科医師
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