成人の矯正装置には、ワイヤー矯正とマウスピース矯正という選択肢があります。

これらにはどのような違いがあり、選べることでどのようなメリットがあるのでしょうか。

矯正装置が選べるメリットについて解説します。

■矯正装置の種類

◎ワイヤー矯正（表側矯正）

ワイヤー矯正とは、歯の上にブラケットという金属をつけ、その上にワイヤーを通して歯を動かす治療方法です。

・メリット

古くからある治療法で、多くの症例に対応することができます。

重度の叢生や多数歯抜歯をともなうケース、インプラントが入っている口腔内などに対応しやすいのは、このワイヤー矯正となります。

・デメリット

ブラケットとワイヤーが表側についているため、とても目立ってしまうのがデメリットです。

しかし最近ではセラミック製の白い装置も登場し、審美面のデメリットはカバーできることがあります。

使用感としては、装置が比較的角ばっていて固いため、装置の角で口腔内を傷つけたり、痛みが出たりしやすいのがデメリットです。

◎ワイヤー矯正（裏側矯正）

ブラケットとワイヤーを歯の裏側につけ、矯正する方法です。

・メリット

表側矯正の審美面のデメリットを解消するために生まれたのが裏側矯正です。

口を開けなければ矯正装置がついているとは分からないのがメリットです。

・デメリット

表側矯正より技術的に難しく、治療が可能な歯科医院が比較的限られているのがデメリットです。

また表側矯正よりも価格が高くなりがちな傾向にあります。

◎マウスピース矯正

歯の表面にアタッチメントという突起をつけ、そこにマウスピースをかぶせ、つけ替えていくことで歯を動かす矯正方法です。

・メリット

マウスピース矯正で使うマウスピースは透明なシートでできているためとても目立ちにくく、お仕事中でも気になりにくいでしょう。

アタッチメントも歯と同じ白いプラスチックでできているため目立ちません。

また装置自体が柔らかく、表面がなめらかで、口の中を傷つけにくいのもメリットといえるでしょう。

・デメリット

最近では対応できる症例も増えていますが、まだワイヤー矯正よりは対応症例が少ないのがデメリットです。

■矯正装置を選べるメリット

◎多くの症例に対応できる

矯正装置を選べることで多くの症例に対応が可能です。

審美面が気になる方はマウスピース矯正を、重度な症例の場合はワイヤー矯正など、その方にあった装置を選び、治療が可能です。

■なぜ自分に合った矯正装置を選ぶ必要があるの？

◎後戻りの防止

矯正後は、1度歯がきれいに並んだと思っても、元の歯並びに戻ってしまうことがあります。

これを後戻りといいます。

後戻りは難しい治療や無理に選んだ治療などで起こりやすいです。

自分に合った矯正方法を選ぶと、後戻りの防止になります。

◎治療の成果が出やすい

自分にあった矯正方法を選ぶことで、治療の成果が出やすくなります。

◎歯根や歯槽骨の健全さを保つため

無理な矯正方法で歯を動かしてしまうと、歯根、歯槽骨の吸収を起こしてしまう可能性があります。

その方にあった矯正方法を選ぶことで、健全な歯根や歯槽骨の状態を保つことができます。

【一人ひとりの口腔内に合った矯正装置を選ぶ】

ワイヤー矯正、マウスピース矯正それぞれに得意な症例やメリットがあります。

その方一人ひとりの口腔内にあった矯正装置を選ぶことで、患者さまもメリットをより多く得ることができます。

矯正装置を選ぶ時は歯科医師とよく相談し、どの矯正装置に一番メリットがあるのかよく見極めて判断するようにしましょう。

当院ではさまざまな矯正装置を用意し、その方にあった治療方法をおすすめしています。どのような治療方法が向いているのかどうか知りたい方は、ぜひ1度当院にご相談ください。