インビザライン(マウスピース矯正)は、症状や歯並びの状態によって治療期間が異なります。
軽度な乱れから重度の噛み合わせ不良まで、矯正が必要な歯並びの状況は様々です。
今回はインビザライン矯正のおおよその治療期間を症状・パターン別に詳しく解説し、各症例の目安についてご紹介します。
目次
■軽度
◎前歯のわずかな隙間や軽い重なり
軽度な前歯の歯並びの乱れでは、比較的短期間で治療が完了するケースが多いです。
軽度な重なりを改善する場合、約6ヶ月〜1年程度で治療が終了することが一般的です。
見た目の変化も比較的早く現れ、治療開始から数ヶ月で違いを感じやすいのが特徴です。
◎軽いすきっ歯の改善
すきっ歯が部分的に見られるケースも、インビザラインで対応しやすく、半年から1年以内で整えることが可能です。
隙間の量や位置により多少異なりますが、早期改善が期待できるケースが多いです。
◎歯性の軽度な出っ歯
歯が前方にわずかに突出している軽度の出っ歯は、インビザラインで比較的短期間で治療が可能です。
治療期間は約6ヶ月から1年程度で、徐々に前歯を後方に動かしながら理想的な位置へと整えます。
総じて噛み合わせの問題は伴わないものを軽度と考えると良いでしょう。
■中程度
◎中等度の前歯の重なりや奥歯の軽い不揃い
中程度の歯並びの乱れや重なりを解消する場合は、1年〜1年半ほどかかることが多いです。
奥歯も調整が必要なケースの方が、基本的に時間を要します。
◎噛み合わせの調整が必要なケース
前歯と奥歯の噛み合わせを整えたい場合、横の並びを整える時よりも時間がかかります。
軽度であっても、治療期間は1年〜1年半が目安です。
特に前歯の突出や軽い開咬などがこれに当たります。
また、横の歯並びのみの問題だと思っても噛み合わせに問題があるケースは比較的多いです。
■重度
◎奥歯の大きな動きが必要な場合
重度の歯並びの乱れや、奥歯の大幅な移動が必要な場合は、治療期間が2年以上かかることもあります。
奥歯を後方に動かしたり、しっかりした噛み合わせを形成したりするには、ブラケット矯正の併用が必要になることもあります。
特に奥歯の位置がずれている場合、インビザライン単独では難しいこともあり、併用治療が必要とされることが多いです。
◎抜歯が必要な場合
抜歯を伴う矯正では、空いたスペースを利用しながら歯を正しい位置に動かしていきます。
抜歯スペースを徐々に埋めるため、全体の矯正期間は2年以上に及ぶことも珍しくありません。
抜歯後の隙間があると噛み合わせにも影響するため、特に奥歯にしっかりと力を加えながら調整していくことが大切です。
多数歯を抜歯して治療を進める場合はブラケット矯正の適応となります。
■治療後の保定期間について
◎保定期間は矯正期間と同程度
インビザライン治療が完了した後には、保定期間が必要です。
歯並びが新しい位置で安定するように、リテーナー(保定装置)を装着して歯の後戻りを防ぎます。
通常、保定期間は矯正期間と同程度かかるといわれています。
6ヵ月の治療では6ヵ月程度、3年の治療では3年程度というように、難しい治療ほど保定期間も長くなります。
【重症度によって期間が変わる】
インビザライン矯正の治療期間は、歯並びの状態や症状によって異なり、軽度なケースであれば数ヶ月から1年、重度のケースでは2年以上かかることもあります。
歯並びの種類というよりは、基本的に歯並びの重症度によって期間が変わると考えると良いでしょう。
治療後の保定期間も含めて計画を立てることで、理想の歯並びを維持しやすくなります。
気になる症状がある方は、歯科医師に相談し、治療期間や方法についての理解を深めると安心です。