矯正治療を受けたいけど、どのくらいの期間がかかるか分からないという方も多いと思います。
矯正治療は歯をゆっくりと動かす治療のため、一般的な歯科治療よりも長い期間がかかります。
矯正治療にかかる期間の目安について解説します。
目次
■矯正期間の目安
◎子どもの矯正
子どもの矯正は永久歯の萌出が始まる7~8歳頃から行えます。
永久歯の萌出を見守りながら少しずつ歯を動かしていく場合、長い期間がかかる傾向にあります。
このタイミングから矯正を始める方は、あごの矯正や永久歯の並びを整える治療を行いながら、永久歯の萌出が完了する12歳頃まで治療を行うことがあります。
この期間の治療のことをⅠ期治療と呼びます。
Ⅰ期治療だけでも長い期間がかかりがちですが、もし歯がきれいに並び切らないと、12歳以降のⅡ期治療に移行します。
Ⅰ期治療とⅡ期治療とわたって治療を行うと、さらに時間が長くなる傾向にあります。
しかし、あごの骨の成長を利用しながら歯並びを整える治療をしておくことで、矯正治療に伴う抜歯のリスクや、噛み合わせ、歯並びが悪いことによりさらなるトラブル(※)を起こすリスクを下げることにつながります。
(※)トラブルは、清掃が不十分になることによるむし歯や歯周病、顎関節症や発音障害、消化不良などさまざまあります。
また、あごの成長に問題がなく、12歳以降に歯並びだけ整える治療を始めるお子さまもいらっしゃいます。
その場合、症状によっては数ヶ月から数年程度で治療を終えられることもあります。
◎大人の矯正
大人の矯正は症状によって数ヶ月から数年程度の時間がかかると考えて良いでしょう。
もし大人になってからあごの形を整える矯正を行いたい場合は、外科処置の適応となることもあります。
■矯正後の保定期間とは
◎矯正期間と同じだけの期間が必要
数年かけて矯正治療を行った後は同じ期間だけ保定期間という期間を過ごす必要があります。
移動したての歯は、しばらくはとても動きやすい状態です。
これを歯槽骨の中にしっかりと安定させるために、保定期間という期間があるのです。
保定期間では最後に使用したマウスピースを使って歯をその場所にしっかり固定できるようにします。
この期間もきちんと含めて矯正期間だと考えると良いでしょう。
◎保定期間の過ごし方
歯が動いたからといって保定期間をきちんと過ごさないと後戻りの原因になります。
矯正治療を終えて、きれいな歯並びになったとすぐに安心してしまわずに、きちんとこの期間を過ごす必要があります。
マウスピースのつけ忘れ等に注意しましょう。
■シミュレーターと歯科医師の判断が必要
◎シミュレーターだけでは判断できない
現在マウスピース矯正(インビザライン)ではシミュレーターを使用して歯の動きが予想できます。
どの程度の期間でこのぐらい歯が動くということを、歯科医師と患者様が一緒に動画で確認することができます。
しかしシミュレーターだけではどうしても判断できない部分もあるため、歯科医師が経験などから判断し、患者様に治療期間の目安をお伝えします。
◎あくまで目安と考えよう
しかし歯科医師の経験などから治療期間を導き出したとしても、矯正治療前に予想した期間は、あくまで目安となります。
歯の動きの速度などは個人によって違うため、どうしても見立てよりも長い期間かかってしまう可能性もあります。
またマウスピースは可撤式の装置のため、もしつけ忘れてしまうとその分歯が動くのが遅れてしまい、シミュレーション通りに運ばないこともあります。
このつけ忘れは固定式のワイヤー矯正では起こらないため、マウスピース矯正において特に注意しなければならない点といえるでしょう。
【歯は常に動いているため、期間は目安として】
もし矯正を行っていなくても歯は常に動いています。
また歯の動きやすさや歯槽骨の状態はその方によって異なるため、治療計画の時に出された期間はあくまで目安だと考えましょう。
また矯正治療の期間以外に、保定期間という期間が必要になります。
この期間もきちんと視野に入れ、ライフスタイルにあった矯正治療を行えると良いでしょう。